何かまた黒いような白いような訳の分からないモヤがやってきた。
この六畳が果てのない真空に感じる。
酸素がない。呼吸が空回りする。
ダメだ、外に出よう。
用は無くともコンビニに行こうか、
でも財布に余裕はないし缶なんかコンビニで買ったら値段のがよぎって不味い。
結局店内を一周して何も買わず出る。
決まりきったルートで歩く。
帰る意味もないから
しばらく周辺を徘徊。
テールライトが何度も視界を過ぎ去って行く。
外に居たって何が変わるわけでもないし
黒いような白いようなモヤは素直に夜風で飛ばされないことも知っている。
歩いているとふいに駅前に出てしまった。
今日一日どこかで誰かと顔を合わせて、日常と向き合って何かしら行動してきた人達が駅前には沢山いる。
部屋で育てた憂鬱が夜には抱えきれない質量になっていたのを一人喚いて逃げ出した自分の情けなさが、視界の正面に露骨に浮かんで、また目の前から逃げるように道を変えている。
全く最悪だ。
疲れてきた。もうここで眠りたい。
実際にしない事を思うフリをしてしばらく徘徊したら、いつの間にかこの六畳に帰ってきている。
気分も視界もやっぱり何も変わらない。
買い置きの酎ハイ原液、
これが今の所一番コスパが良いんだ、だからもう今日はここまでにしよう。
気付いたら、何か、マシになってるかもしれない。
そんな幻にくるまって眠るくらいの情けなさは、どうにか許されたい。